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外資系マネージャーの独り言

日本で外資系企業のソフトウェアエンジニアマネージャーをやってる人のブログです

Did Japan Get Schooled?

2016年の10月にForeign Affairsに掲載されていた記事を今になって読んだのですが、これは多くの日本の人たちが読むべき記事だなと感じたので、思ったところを書いてみます。

www.foreignaffairs.com

日本語の解説記事はこちら。

www.cieej.or.jp

簡単にいうと、東大がアジアの大学ランキングで1位から7位に転落したことを「日本の大学教育の失敗」の象徴的出来事として捉えて、さらに現代の日本人の多くが感じているであろう閉塞感の原因を日本社会の構造的問題としてフォーカスし、日本の多くの教育関係者にインタビューした話を通じて、日本の教育や社会、それに個々人のマインドセットが変わる必要があると説いた記事。

日本人からすると辛辣に感じる記事かもしれないけど、多様性に乏しく保守的になりがちな社会と、そういった社会に特化した人間を作り上げている教育システムに問題の根源があるという論は、個人的にとても共感出来る。

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個人的な意見として、今の日本の社会(個人・組織共に)に足りていないのは、

  • 変化や多様性に対する受容性
  • 自主性や創造性を重視する姿勢

で、良くも悪くも安定していた過去60,70年によって得られた一定レベルの豊かさと引き換えに、固定化してしまった社会構造やマインドセットを解きほぐしていくしか日本が浮き上がるチャンスはないのかもしれません。

会社の同僚で日本のことをよく知る数名の外国人の中には、過去の歴史を見るに近代以降に日本の社会が大きく成長・変質することができたのは社会の広範囲に影響が及ぶようなリセットがかかった時(=ガラガラポン)で、例えば明治維新や第二次大戦のような出来事が起きないと、日本の社会が大きく変わることはないだろうという人もいて、実は自分の意見も同じだったりします。

今の日本の多くの都市部での生活は(例えば東アジアの諸都市に比べて)、社会インフラが整っていて、安全・清潔で、一定レベルの豊かさがあり、多くの人が社会的な閉塞感や息(生き)苦しさを感じていながらも、リスクを取ることなくぬるま湯に浸かるような形で「なんとなくそのまま」やってきてしまっている現状があると感じています。

このぬるま湯の居心地がそれなりに良好な状態が続く限り、日本の社会が大きく変わることはないのかなというのが自分の現時点での観測です。

KerasとDeep Learning

とある個人プロジェクトで機械学習を使いたいなーと思いつつも、自前で下回りから組むわけにもいかないし…と悩んでいたところで、TensorflowやTheanoをバックエンドとして透過的に扱える、Deep Learningに特化したラッパーライブラリであるところのKerasを使えばよさそうということでやってみた。

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WORK RULES!

Googleの人事担当VPが書いた、Google流人材活用術。 

ワーク・ルールズ!―君の生き方とリーダーシップを変える

ワーク・ルールズ!―君の生き方とリーダーシップを変える

 

Googleの職場環境っていうと、ランチがタダで、専用のシャトルバスが出てて、給料がめちゃくちゃ良くて…という印象があるけど、才能と意欲溢れる人たちの集団のモチベーションを高めて、よりよい仕事ができる環境をいかに整えることができるか…ということを考えた結果として著者が関わってきた様々な施策が詳細に紹介されている。

この本に出てくる採用に関する方法論や実際にやっていることについては今の自分の職場と相通じるところが多いなという印象。例えば、自分よりも(あるいはチームの平均よりも)優秀な人を取れ、というのはアメリカのテックカンパニーでは常識と言ってもよいほどに広まってる印象。また、エンジニアの会社にとってのマネージャーの価値(「優秀な」マネージャーはエンジニアリングチームに必要不可欠)や、個人のパフォーマンスは正規分布ではなくべき分布として捉えるべき(「不公平な報酬」は理になっている)とか、Google及び著者が人事に関してやってきた様々な取り組みや成功例、それにたくさんの失敗例が包み隠さず挙げられていて、楽しく読むことができた。

「あー、やっぱりGoogleは凄いよね」で終わる本ではなくて、現代的な企業組織やチームがいかに高いレベルの人材を維持し、高いパフォーマンスを出していくかということを考える上でとても参考になる本だと思った。

ニューカマー定住ハンドブック

英語と日本語の対訳付きの、外国人として日本に住むためのガイドブック。 

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成長する管理職:優れたマネジャーはいかに経験から学んでいるのか

管理職になったので、読んでみた。

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エンジニアとして世界の最前線で働く選択肢 - 竜 盛博

アメリカのIT業界でソフトウェアエンジニアとして10年以上キャリアを積んできた(帰国子女ではない日本育ちの)著者が、国内でのキャリアの後にアメリカのIT企業で働くという選択をしてから遭遇した様々な経験をもとに、企業文化や国民性の違いを乗り越えてアメリカでソフトウェアエンジニアとして働くとどうなるのか…そしてどうやったらうまくやっていけるのか…ということをコンパクトにまとめた本。

Kindle版でサンプルを読み始めたら期待できそうだったので購入…で、期待通りの内容。日本に住みながらもアメリカ企業の文化にどっぷり浸かってアメリカ人(&あっちこっちの国の人々)とソフトウェア開発の仕事をしている自分としても、「ああそうだよね」とうなづくところが多く、アメリカに移り住むことも含めて今後のキャリアアップ等を考える上でとても参考になった。

就職活動から社内での効果的な立ち回り方、転職活動、キャリアアップ、コーディングテストの実践的な突破方法や、子供の言語教育などなど、極めて現実的かつ実践的な内容に終始していて、非扇動的なガイドブックといった雰囲気。日本ではIT土方なんて酷い表現もあるけど、アメリカではソフトウェアエンジニアが厚遇されている現状があり、かつプロフェッショナルとして要求される言語の壁についても他の職業に比べると一番くらい低い職業であるという点は著者の意見には大いに同感。

アメリカの企業文化やドライな人間関係、パフォーマンス評価のやり方やレジュメの書き方、それに給与交渉などについてのノウハウなどなど…ソフトウェアエンジニアに限らず、外資系企業で働いている日本人や、外資系企業で働こうとしている日本人にとっても幅広く役に立つ情報が詰まっていると思う。

ボリューム感からするとちょっと高いなと思ってしまう本だけど、内容の濃さや鮮度という意味では間違いないものだと思うので、アメリカを目指すにせよドメスティックに生きるにせよ、ソフトウェアエンジニアとしてのキャリアを考える上で読んでみると参考になると思います。

ソフトウェアエンジニアとしての経験値

大学を出て以来、ずっと何かしらの形でソフトウェア開発の仕事に携わってきたわけですが、前職(日本の製造系)でのソフトウェア開発環境と、今の職場(外資系ソフトウェア企業)のソフトウェア開発環境の違いがとても大きくて、よい意味で刺激を受けています。

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