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外資系マネージャーの独り言

日本で外資系企業のソフトウェアエンジニアマネージャーをやってる人のブログです

在宅勤務(WFH)の落とし穴

在宅勤務(WFH)

現職では在宅勤務(Work From Home=WFH)の制度・仕組みが充実していて、ある程度自由に家から仕事ができる環境が整っています。

会社のラップトップをネットに繋げてさえいれば、世界のどこにいてもVPNで社内のネットワークに繋いで仕事ができるので、実に便利な世の中になったものだと思うと同時にWFH特有の問題もあり、色々と思うことがあるので、ここでは自分がWFHに関して思っていることをつらつらと書いてみようと思います。

まず、WFHで仕事をしている典型的な1日。

  • 6:30 起床&朝食
  • 8:00 仕事をはじめる
  • 8:30-10:00 テレコンとかVCを使ってミーティング
  • 11:30 昼食
  • 12:30 仕事を再開
  • 15:00 おやつを食べたりして休憩
  • 17:00 仕事を一区切り。必要に応じて残った仕事をこなす
  • 18:00 夕食
  • 20:00 子供を風呂にいれる
  • 21:30 寝る

…といったところでしょうか。

今は職場まで通勤に1時間以上かかる環境に住んでいるので、WFHの最大のメリットは1日の活動の中から通勤時間がなくなることだと感じます。

ソフトウェアエンジニアの場合、多くの時間はドキュメントを読んだり、書いたり、コードを書いたり、デバッグしたり、トラブルシューティングしたり…といった作業をPCを使って淡々とこなすわけですが、WFHに向いているのはある程度まとまった時間をかけて集中することが必要とされる作業なのかなと思います。

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コミュニケーションについては、メールソフトと連携できるメッセンジャーアプリがPCに入っているので、VPNに繋いでいる状態であればコミュニケーションで困ることは(ほぼ)ありません。無料通話の番号からカンファレンスコールに参加でき、専用アプリを使ったビデオチャットも可能なので、家からミーティングに参加する場合はこれらのチャンネルを使います。これまでにUSのメンバーの面接を10人以上やってきましたが、時間の都合もあり(早朝が多い)家から参加することが多々ありですが、特に問題を感じたことはありません。

自分の場合、1週間の中でWFHの日を決めていて、その日はオフィスでミーティングが入らないようにしたりしますが、通勤時間が不要になる分USのメンバーとの早朝のミーティングを入れやすくなったり…と、有効にコミュニケーションをするよいチャンスにもなったりします。

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で、当たり前ですが問題点もあります。

PCとVPN接続さえあれば大抵の仕事はできてしまうということは、ダラダラといつまでも仕事をしてしまい、生活と仕事の境界線が曖昧になるリスクもあります。これはWFHを定期的にやり始めた当初に特に顕著で、はじめの頃は夕方過ぎになっても仕事をしたりしていて妻に指摘されたりということもありました。これはあるタイミングから「今日やること」を朝一番に決める習慣を作ってその仕事に集中するようにすることで改善できました。

あと、ローカルなオフィスのメンバーや、社外の人との密なコミュニケーションが必要な仕事は物理的な理由でWFHが難しいでしょう。長らく東京のオフィスには自分以外のチームメンバーがいなかったのでWFHを多用しても何ら問題はありませんでしたが、振り向いたらチームメンバーがいて、必要とあれば込み入った話もすぐにできるという利便性は圧倒的に有利です。そんなわけで、今後は自分もWFHの頻度を週2,3回から1,2回に落としていくことになりそうです。

もう一つの大きな問題は、家での仕事環境を整えられるかという点です。ひとり暮らしでない場合、特に家族が昼間も家にいる場合、仕事部屋として独立した環境がないと仕事に集中しつづけるのは難しいかもしれません。我が家の場合、子供が大きくなって自力で仕事部屋に侵入してくるようになって以来、子供が背中に飛び乗ってきたりするので仕事の生産性は多少落ちたように思います。

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これらの問題点をうまく回避できたとしても、一人ポツンといる状況で仕事に集中し続けるには、それなりに強いメンタルが要求されるということも強調しておくべきでしょうか。例えば、ソフトウェアエンジニアでもひたすら何らかのコードを書き続けるという状況って意外に少なくて、いろんな作業の組み合わせの結果としてコードを書くということが多いです。作業の合間に職場の仲間と交わすちょっとした会話が刺激になったり、アイディアになったり...ということで、チームメンバーや社員が一つどころに集まって仕事をしている環境には、一定レベルの価値があるということは間違いありません。

そんなわけで、WFHを定常的に使っている人はそんなに多くなくて、例えば「今日は雪/台風で交通機関がカオスなことになりそうだからWFHします」とか、「朝に地元の役所に行かないといけないので、残りはWFHします」とか、そんな感じで活用している人のほうが一般的かもしれません。

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そんなわけで、WFHの制度は便利だし、うまく活用することで個人・チーム・会社レベルで生産性を上げることは可能だけど、利用するには仕事の内容、チーム環境、個人の資質、自宅の環境...といったことを加味してベストなバランスを見つけることが重要なのかなと思います。