外資系マネージャーの独り言

日本で外資系企業のソフトウェアエンジニアマネージャーをやってる人のブログです

高度人材ポイント制のビザのルール変更

移民に頼らなければ人口減は防げないとかなんとか議論されている日本ですが、いわゆる高度の専門職(Highly Skilled Professionals)については既にポイント制で評価して、一定年数以上滞在している外国人には居住ビザの発給を行っています。で、このビザ発給に必要な年数を減らして、高度人材の日本への定着を促進する動きがあるようです。

www.asahi.com

 

評価軸は諸外国の同等の仕組みと似ていて、学歴、年齢、職歴、年収、その分野での実績‥といったところからポイントを算出して、70点以上だと優遇措置として5年以上の滞在実績で居住ビザを(高いプライオリティーで)発給しますよ、というのが現在のルール。この居住ビザの有効期限は5年だけど、更新できるようなので(?)事実上の永住ビザと考えてよいのかな?

今出ている変更案は、70点-80点獲得者は3年以上、80点以上は1年(!)にしますよというもので、なかなかアグレッシブと言えるものなんじゃないかと思います。と同時に、それなりに敷居の高い設定なので、現時点までにこの優遇措置を利用した人がそこまで多くなくて、法務省としても急速に大きな影響が出過ぎないレベルで高度人材の定着を促したい‥という気持ちが透けて見えるようにも感じます。

外国人にとってのビザ取得の現実的なメリットとしては、

  • 今働いている会社・研究機関に所属しなくとも日本に住むことができる
  • 家族を日本に連れてきたり、配偶者が働くことができるようになる
  • (有利な)住宅ローンを組める

‥といったあたりでしょうか。このポイントシステムに引っかかるクラスの人材だと、会社や研究機関を離れても再就職は比較的容易な気がするので(保険として持っておきたいという意識はあるかも)、分かりやすいメリットは日本人と似たような権利を享受できるというところでしょうかね。

www.immi-moj.go.jp

やたらとアニメ絵が採用されているのと、ポイントの計算システムがExcelシートなのがアレですが、自分のポイントを計算してみると、(ルール改正が成った仮定で)1年でビザをもらえるポイントはもらえるようです。いつか他の国に住み着いて、気の迷いで日本国籍を捨てた場合でも、このシステムが生きてて日本に住んでいればまた日本に住めますね(笑)。