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外資系マネージャーの独り言

日本で外資系企業のソフトウェアエンジニアマネージャーをやってる人のブログです

飯の種の多様化と永続化

面白い記事を読んだので、思ったことをつらつらと書いてみます。

thebridge.jp

「お金とは賢く付き合っていきたい」とはじめにの記事に書きましたが、これは家族ができて、余剰資金で投資をするようになり、転職して...といった流れの中で、真面目にお金のことを考えるようになってから、常に意識していることです。

お金ってややこしくって、健康で普通に仕事ができて、シンプルなミニマムな暮らしを志向する限りにおいては大して気にしなくても生きていけるものだと思うのですが、一旦お金のことを意識し始めると、今度は逆に「お金のことを意識しなくて済むようになるための努力の一環として、より一層お金のことを考えるようになる」ものだなと感じています。

個人的には、趣味のスポーツやアウトドア活動に打ち込んでジャカスカお金を使っていた独身時代に比べると、今はこれといってお金のかかる趣味もありませんし(独身時代に揃えた道具がそのまま使える&そんなに一生懸命やってない)、使う気になりさえすれば欲しかった機材・道具を揃えることもできますが、自分のポリシーとして物は使ってナンボ。利用価値で元を取れない買い物は(できるだけ)しないというのがあるので、今後の人生ではよほどのことがなければ大きな散財はしないような気がします。

また、手持ちのある程度まとまったお金を寝かせておくのももったいないし、長い人生の中で少しくらいは経験しておいたほうがよかろう、と勉強のために始めた投資ですが、投資信託、株の売買、FXやその他の基本的な手法をトライしてみて、サラリーマンが本業に集中するのであれば、投資活動はできるだけ手間がかからないものがベスト、ということに気づきました。際限なく時間があれば、チャートを使ったりスクリプトを組むなどしてリバレッジを効かせた取引で大きなリターンを狙うこともできるかもしれません。また、単純な株式についても買ってひたすら寝かせるのでなければ、投資先企業の絞り出しや情報収集、利益確定や損切りといった日常的な手間が発生するので、それなりに手間がかかります。

そんなわけで、今はある程度慣れ親しんだ株式をちょっとした節目に売買したり、投資信託を積み立てたり、海外出張や旅行で使うお金をFXを使って有利に取引したり...といった程度で、日常的には投資活動を意識しないで暮らしています。

投資をするようになって新たに得た大きな教訓は、「お金は使い方が全て」ということでしょうか。眠っているお金そのものは何も生み出しませんし、使ってそれっきりのお金は死んでしまいますが、使ってリターンを生むようなお金の使い方は多少金額が大きくても積極的にやっていくべき、というのが今の自分のスタンスです。投資的なお金の使い方がすぐに直接的なリターンに結びつかなかったとしても、長い目で見て人生を有意義に暮らすことに寄与するのであれば、ガンガンお金を使いましょうよ...と考えています。

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現代から自分の世代が(今の常識で)仕事を引退するであろう20-30年後の時代は、古典的な日本企業であっても完全な終身雇用を期待することは難しくなっている気がしますし、仕事のあり方についても小さな変化が積み重なって、今とは異なる常識が広く受け入れられていくのではないかと感じます。

お金に関して煩わされたくないと思うと同時に、お金について困りたくないという(おそらく矛盾する)期待があり、生活や子供の教育に困らない程度のお金は稼ぎたいけど、お金のことばっかり考えるのは嫌だし、自分が人生で成し遂げたいと思うようなことにエネルギーを使う自由を得られることが最も重要…というのは、贅沢な悩みなのかもしれません。

日本に住んでいる日本人で、英語が話せて、ソフトウェアエンジニアとしての経験&実績もそこそこあり...といったバックグラウンドがあれば、贅沢をしない限り今の日本で暮らす限りお金のことで特に困ることはないのかなというのが率直な感想です。

とはいえ、長い人生を楽しく有意義に生きていくためには、長期的な視野に立って経済的な安定や成功を考えていく必要があります。ぱっと思いつくのは以下のようなカテゴリーでしょうか。

  • 長生きリスク: 長寿化によって、メインでやっている仕事から大きな収入が得られなくなった後の生活についても考える必要性が高まっている
  • 資産の保全: インフレリスク、為替リスク、マーケットのクラッシュや、不動産価格の変動に対して対応できるか
  • 生活レベル: 1回上げた生活レベルを下げるのは難しい。シンプルでミニマムな暮らしを指向しても、世間はそれを邪魔する仕組みに溢れている
  • 教育コスト: 子供の教育コストはかけようと思えばいくらでもかけられる。そして入力した教育コストの結果は簡単に測れない

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動きの早いITの世界で生きている人間としては、新しい技術やトレンドに対してキャッチアップし続けていく必要がありますし、個々人の特性や、場所やタイミングで変化していく需要にあわせてキャリアを考えていく必要があると感じています。Individual Contributorのエンジニアという立場に片足を突っ込みながらもマネージメントの仕事をしているのは、自分なりのリスクヘッジだと考えていて、ソフトウェア開発の仕事に多角的に触れていくことと、ソフトウェアエンジニアを束ねてチームとして成果を出していくプロセスからは学ぶことが多く、長い目で見たキャリアとして有意義な経験になるなという確信があります(また、自分は純粋に技術を極めていくタイプではないという自己認識があります)。

個人レベルでも、ひとつのスキル・会社・収入に依存しすぎないような、多角経営的な意識があってもよいのかなーと考えています。