外資系マネージャーの独り言

日本で外資系企業のソフトウェアエンジニアマネージャーをやってる人のブログです

人を動かす デール・カーネギー

マネージャーのお仕事をするようになって、いよいよ自分の仕事を好き勝手にやっていればいい立場からは卒業して、(主に)人間関係であれこれ思い悩んでるときに手に取った本。

 

人を動かす 文庫版

人を動かす 文庫版

 

著者は鋼鉄王のアンドリュー・カーネギーと似た名前だけど関係はなく、農家の生まれで色々と苦労しながら独自の対人コミュニケーションテクニックをトレーニングするスタイルを確立した人らしい。

カーネギーの主張の根底にあるのは、自分のコミュニケーションをよりよくすることで、周りの人たちの行動や考え方に影響を及ぼすことができる、というもの。人心掌握の妙というか、処世術というか、そういったものがとても分かりやすいたとえ話と一緒詰まっていて、コミュニケーション能力の改善のヒントになる。

例えば、

「まず相手の立場になって考えて、話を聞くこと」

たったこれだけのシンプルなことでも安定してしっかり実践できないタイプの自分の場合(ついつい自分の意見を言いたくなる…悪い癖だ)、具体的にその効能や成功例を分かりやすく提示されことで、「あぁ、先日のあの状況ではこうすればよかったな」といった反省が山のように出てくる。

極端な話、ソフトウェアのデザイン・実装が正しいか正しくないかはコードとテストとプロダクション環境での結果が全てで、デザインレビューやコードレビューなんかでは感情は抜きにした理論的な議論がなされるのが常だけど、マネージャーという立場からソフトウェアエンジニア達と接するとなると、「理論」だとか「正しい・正しくない」とかいったものはひとまずは横に置いておいて、その人がどう考えているか、何を求めているのか、どうやったら成長してもらえるのかといったことをしっかりと捉えて「生身の人間」として付き合う必要があるので、切り替えが難しいなと感じている。

カーネギーさんの本に限らず、マネージャーとして自分に足りていないものを埋め合わせるための知識を与えてくれる本を紹介していく予定。