外資系マネージャーの独り言

日本で外資系企業のソフトウェアエンジニアマネージャーをやってる人のブログです

RSUを部分的に売る作戦

前に記事で書いた通り、会社からもらったRSUはいつかのタイミングで売却することになります。手持ちの資金の割合でRSUが増えてきたのと、会社の株価が良好な水準にあったので、一部のRSUを売却することにしました。

sdm.hatenablog.com

売却の手続きそのものはそんなに難しくなくて、証券会社の口座にログインしてSELLの指示を出して、売却後のキャッシュをどうするかを指定すればOK。

通常の株式等と同様、成行注文("Market Order"=マーケットの現在値で売却。基本的にすぐに約定される)と指値注文("Price Order"=指定した価格よりよい条件でのみ売却。条件が揃わないと約定されない)を選ぶことができます。異なるタイミング(=異なる価格)でVestされたRSUはCapital Gain(譲渡益)が変わるため、かかってくる税金にも影響が出てくるので、Capital Gainを最大化したり、最小化するように売却する株式を選ぶこともできます。

なお、会社やポジションによるかもしれませんが、自社株の売買についてはInsider Stockという形で制限がかかる場合があります。会社の経営状況や、新商品や研究開発などといった株価に大きな影響を及ぼしうる情報を知りうる立場にある場合、その知識を不適切に使って株式市場から不正な利益を得ることはできません。典型的には、会社から提示されたTrading Window(制限なしに株式を売買できる期間)の中で手続きを行えば問題はありません。制限がかかることが多いのは四半期ごとの財務報告が行われるタイミングなどでしょうか。

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もう一つ大事なこととして、異なるタイミングでVestされたRSUの一部を売却する場合、譲渡益(キャピタルゲイン)が異なるため、税金との兼ね合いを考えながら売却する株を選択する必要があります。日本では株式にかかってくる譲渡益の税率が約20%(所得税15%住民税5%)なので、例えば$500の利益が出る取引をした場合、$100分の税金がかかることになり、確定申告が必須となります。例えば、自分の使っている証券会社では、売却に際しては

  • 利益を最大化する売り方
  • 利益を最小化する売り方
  • 売却する株式・数量を個別に指定する

といった選択が可能なので、個人の置かれた状況と考え方、将来的な株価の展望等を見計らって判断することができます。RSUによる譲渡所得はその他の株式などの譲渡損失と損益通算をすることができるはずなので、もしRSUとはまた別に株式などを所有している場合、賢いタイミングで売却を行うことで税金の負担を軽減することも可能です。

現金化した株式は、

  1. チェック(小切手)にして送ってもらう
  2. 同じ証券会社の別のアカウントに移す
  3. 登録した銀行の口座に送金

といった選択ができることが多いはずです。個人的にはドルのまま運用をしたかったので、#2の選択肢にしたかったのですが、日本在住者はUSの証券会社のアカウントを作れないとのことだったので、仕方がなく#3の選択で日本の銀行にドルのまま送金してもらうことにしました。自分はソニー銀行の外貨口座を開設済みだったので、手続きして1週間くらいで着金を確認できました。

その後の使い道・運用方法については、また改めて…。