稼ぐに追いつく貧乏なし
20代は主にソフトウェアエンジニアとして日本企業で働いていましたが、縁あって今の企業(外資系のテックカンパニー)に移り、ソフトウェア開発チームを引っ張る立場のマネージャーになる機会を与えられたので、今は日本国内と米国の本社にいるチームメンバーのエンジニア達をまとめて、マネージャー業務をしています(まだコードレビューとかには参加してますが)。
最初にソフトウェアエンジニアとして転職した時点でかなり大きく収入がアップしましたが、プロモーションやマネージャーへの昇格、さらに会社の株価アップに伴うRSUの価値増大といった幸運も重なり、日本企業で働いていた時代の年収に比べると3倍以上という破格の待遇で、労働時間は劇的に短く、WFHも含めたフレキシブルな働き方ができて…と、恵まれた環境で仕事をすることができているなと感じます。
実際のところ、もともと前職でもらっていた収入でも特に生活レベルに不満はなくて、結婚して子供ができて自分の時間が減ったこともあり、趣味に時間やお金を費やすこともあまりない…ということで、今でも前職時代と同じ収入でもやっていけるような生活をしています。増えた分の収入はそのまま確定拠出年金や投資信託の積立、それに投資用の資金…という形で運用することができています。
もともとお金にはそんなに頓着していない方ですが、20代の間はメリハリをつけてお金を使っていた(散財とも言う)ので、30代になってからは逆に中途半端なものにお金は出さなくていいや、というある種の悟りの境地に達することができ、奥さんも同じような考え方をしていることもあって、収入レベルが上がったからと言って変に生活レベルを上げたり訳の分からないお金の使い方をすることなくこれているようです。
一例を上げると、
- 読みたい本は図書館で予約して借りる
- 不要になったものはヤフオク等でさくさく処分
- 洋服、家具や家電の多くは10年選手で、使えなくならない限り買い替えはしない
- 車は所有していない (都内で長く暮らしていたのと、今も比較的便利な場所に住んでいるので必要性があんまりない)
- 電話の契約は安めのスマホ(iPhone SEとか)をMVNOのSIMで運用
- 自宅は中古マンション。ローンは全額返済できる状況だけど、住宅ローン控除で実質マイナス金利&生命保険としても機能するのであえて借りたまま
…という感じで、ケチケチしているというほどではないものの、日常においては概ね節約の意識を持って生活しているのかなと思います。日々の生活でできるちょっとした節約って習慣化できるものが多いので、一旦そういった習慣を導入してしまえばそれを維持し続けるのは大した苦労ではありません。
逆に、お金を使うのは家族と一緒の旅行だったり(夫婦揃って旅行が好き)、自宅関係の出費だったり(自宅の居住性の向上など)と、メリハリをつけて使うようにしています。絶対的に必要な出費ではない分、収入面の余裕でこういったところにお金を使える選択肢があるのはありがたいことなのだと思います。
**
運良く自分の仕事が評価される環境に落ち着くことができて、粛々と「稼ぐ」に専念することができれば、今の日本だったら自動的に一定レベルの経済的な余裕は生まれるはずで、変に生活レベルを上げたり身の丈に合っていないことをしなければ「貧乏」に追いつかれることはないのではないでしょうか、というのがこの記事の趣旨です。
そして、自分が特に気をつけようと思っているのが、収入アップに伴って「なんとなく」財布の紐を緩くしてしまうこと。自分の努力もありますが、収入面での余裕が生まれたのは「運」の要素が大きいと感じているので、これがずっとこの先も続くと考えるのは危険だなと思っています。何よりも、一旦上げた生活レベルを落とすのは大きな苦痛・苦労が伴うので、個人的には日本企業で働いていた頃の収入レベルでも問題なく暮らせるように…というところをモットーにしていますが、子供の成長に伴ってかかってくるあれこれも増えてくるので、そのあたりには柔軟に対応していくことになるかも知れません。
独身であれば、使うも自由、貯めるも自由、そして身軽に動いて…ということがやりやすいですが、家族持ちの場合はどうしても固定費が多くなりがちで、動くこともしにくくなるので、少なくとも経済面&気持ちだけは「身軽」をキープしていきたいものです。